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IPv6 の現状

2015/09/10

なぜ IPv6

今なぜ IPv6 なのか? 筆者の個人的な理由を述べる。

自宅サーバーの利点

筆者はそろそろ大学を定年退職する。従って、いつまでも大学研究室のサーバーに頼れない状況にある。そこで、大学ではない所にサーバーを持つことにした。しかし、レンタルサーバーは自分の思うように運営できないし、扱いにくい。一番良い方法は自宅にサーバーを持つことである。この方が自由が利くし、手元でコントロールができるので扱いやすい。さらに、サーバーの管理を他人任せにしない分、セキュリティが確保できる。つまり自宅にサーバーを置けるのなら、これに勝る方法はない。

コミュファ

筆者の自宅のキャリァはコミュファ(Commufa)である。コミュファは中部電力が母体となって発足したが、2008年に KDDI の傘下に入った。中部地方(愛知県、静岡県、三重県、岐阜県)では KDDI と棲み分けた格好になっている。その結果名古屋市では1戸建住宅では KDDI とは契約できない。つまり光回線をサポートするキャリァを選ぶならコミュファか NTT かの選択となる。

愛知県では(家庭に関しては)コミュファの勢力が強いようだ。正確なデータを持っていないが、学生に手を挙げさせての感想である。理由は簡単で、安いからであり、家庭レベルのサービスに関しては NTT を選ぶ理由は存在しない。筆者もまた値段で決めている。

固定IPが欲しいが...

筆者の特殊事情であるが、固定 IP が欲しい。しかしコミュファはもう提供できる固定IPを保有していない。NTT は保有しているが、料金が高すぎる。結局コミュファの動的IPで妥協しているのである。

サーバーを運用するには、DNS のサービスを利用することになる。お名前.com がそのサービスを行っている。お名前.com でドメイン名を取れば、無料で DNS を利用できる。ドメイン名自体の料金は安く、例えば、このサーバーの "nyx.link" は初年度は180円、以降は年間1480円である注1。さらに、この下に幾つでもサブドメインを持てる。これらも無料である。筆者は現在、

を設定している。

筆者の観察によると、コミュファの動的 IP は3週間ほどで切り替わる。従って2週間ほどでルーターをリセットして、お名前.com の DNS 情報を書き換えれば、切り替えの空白時間(数10分)を除けば、ほぼ間断なくサーバーが運用できることになる。しかし、この作業を自動化しない限り忘れてしまう。幸いにそのためのプログラムは存在する注2


注1: http://www.onamae.com/service/d-price/
注2: http://www.mysrv.link/dice.tar.gz (written in PHP)

では何故IPv6か?

IPv6 の場合、家庭ごとに固定 IP アドレスが割り振られる注1。つまり IPv6 が普及した暁には切れ目なくサーバーが運用可能なのである。

切れ目がある限り不安である。筆者は講義とか、研究会でサーバーを使うことが多い。しかしその最中に切れ目が発生するとプレゼンが流れる! プレゼン中ではなくても、重要な場面でサーバーを参照できないリスクは避けたい。

切れ目がある限りメールサーバーの運用ができない。IPv6 が完全に普及すれば、メールを受け取ることが可能である。筆者は個人的なメールは大手のメアドを使い続けるだろうが、自宅サーバーに他人の投稿を許すかもしれない。その場合にはメールの受け取り機能が要求される可能性がある。

筆者は多数の Plan 9 用のソフトウェアを書いている。そろそろ、それらを IPv6 に対応させるべき時期に来ている。殆どのものはそのまま動くはずであるが、確認が必要である。筆者のソフトウェアの中では特にWebサーバーである Pegasus が重要である。


注1: 注意!注意! この部分は誤りである。コミュファの場合には動的IPv6である。動的IPv6ではIPv6で運用するメリットは存在しない!
IPv4と異なり、IPv6の場合にはアドレスが変わった時にルーター設定の変更、各サーバーのIP設定の変更が要求される。変更が要求される量が多すぎるのである。コミュファは将来のユビキタスネットワーク社会の基盤としてのIPv6を全く理解していない!


IPv6 の普及状態

コミュファと IPv6

コミュファが IPv6 に対応したのは 2012年8月 である。現在コミュファは2種のサービスを提供している。プロバイダ一体型とプロバイダ選択型である。プロバイダ一体型は IPv6 に対応している。他方プロバイダ選択型では、IPv6 対応は選択したプロバイダに依存する。2015年現在 9 社のプロバイダが選択可能であるが、その内 IPv6 に対応しているのは So-net のみである。他のプロバイダはNTTのフレッツ光の IPv6 にのみ対応している。

コミュファにおいてはプロバイダ選択型を選ぶ理由は(料金問題を別にすれば)ない。コミュファが提供するIPv6アドレスは、そのままインターネットで通用するアドレスであるため、率直な運用が可能である。NTTのフレッツ光の場合には多少複雑で、そのためにサービス開始直後にトラブルが発生していたが、現在では解決しているはずである。フレッツ光問題は後に触れる。

ルーター

コミュファと契約すると IPv6 対応のルーターが貸与される。筆者の場合、この型番は NEC Aterm WH382A であった。Aterm に限らず、1Gbps に対応している最近のルーターは IPv6 に対応していると思われる。

コミュファの電話サポートによると、ユーザーから特別の設定をしなくても、貸与されたルーターはそのまま IPv6 接続ができるようになっているのだと言う。

ソフトウェアの IPv6 対応

主要な OS は現在 IPv6 に対応している。
代表的なブラウザに関しても IPv6 に対応している。IPv6 に対応している Web のブラウザは IPv4 にも対応していることが多い。その場合には IPv6 接続を優先的に試している。


注: NTTフレッツ光の場合、フレッツ網でしか使えないIPv6アドレスが割り振られている場合があると言う。その場合にはIPv6通信は極端に遅くなる。

Webサーバーの IPv6 対応

主要な Web サーバーである Apache および Nginx は既に IPv6 に対応している。他方 Microsoft 社の IIS の IPv6 対応は(2015年の段階では)未だ充分ではない。そのためか、次図に示す通り Microsoft 社は Apache を自社の Web サーバーとして使っている。
この結果は http://ipv6-test.com/validate.php から得られる

現実の Web サービスにおける IPv6 対応は非常に遅れていると言わざるを得ない。例えば愛知大学の Web サービスは IPv6 には対応していない。東京大学、東京工業大学、つくば大学など殆どの大学の Web サービスも同様である。筆者が調べたところ、対応しているのは慶應義塾大学など極く少数の大学だけである。

愛知大学が IPv6 に対応しない理由は単純で、メリットが無いからである。どの大学も同じ事情であろう。有り余る IPv4 アドレスを持っており、それらは死蔵されているか、ローカルアドレスの方が適切な用途に使われている。後者のケースは、死蔵していると言われたくないからであろう。

サーバーアプリケーションの問題

ある組織が IPv6 に対応するには

  1. ISP による IPv6 対応
  2. ルーターの設定
  3. 既存のサーバーアプリケーションの IPv6 対応

があろう。ISP の問題は2~3年の内に解決すると思われる。
ルーターの設定は手間の問題で、その気になれば直ちに解決する。
サーバーアプリケーションは厄介である。Microsoft のサーバーを使っている場合には、他のサーバーに切り替えるか、Microsoft が対応してくれるまで待たなくてはならない。しかし(多分)時間はかからないであろう。Web サーバー以外にも多くのアプリケーションが動いているはずである。アプリケーションの動作に IP アドレスが含まれている場合には IPv6 の対応が必要になる。典型的な例はメールサーバーである。
ネットワーク用とは言わなくても、IP アドレスでアクセス制御を行っているケースもあるはずである。それらは全て IPv6 の対応が必要になる。

大きな組織ではアプリケーションごとに別々のサーバーが割り当てられている。その場合には DNS サーバーで IPv6 アドレスの割り当ての調整が可能であるが、小さな組織では一つのサーバーでいくつものアプリケーションを動かしている。その場合には、そこで動いている全てのアプリケーションが IPv6 に対応していないと、IPv4 から IPv6 へは移行できない。つまり、かなり時間がかかることは覚悟しなくてはならない。

バックボーンでの計測

それでも日本は、世界平均からみれば IPv6 は普及している(当然か?)
次の図はインテックによる計測である。
ipv6-world.png ipv6-japan.png
world Japan

出典: http://v6pc.jp/jp/spread/ipv6spread_02.phtml

アクセス網における IPv6 の普及率

FTTH (Fiber To The Home)

日本の代表的なアクセス網にはフレッツ光、KDDI光、コミュファ光が挙げられるが、2015年6月時点における各々のアクセス網の IPv6 普及率を次の表に示す。

アクセス網 契約者数 IPv6普及率
フレッツ光  1678万 8.8%
KDDI光 ? 100%
コミュファ光 70万 75%
フレッツ光の普及率 8.8% はタイプミスではない。

このデータは次のアドレスから手に入る。

コミュファは2008年にKDDIの傘下に入っているが、独立性が高い。この表では分離して扱われている。
次のグラフではKDDIに纏められている。

FTTH の契約数シェア

このグラフは

からの引用。なおケイ・オプティコムは関西電力の子会社。
市場シェアに関して詳しい統計が見つからない。
以下の URL が参考になる。

Google による統計データ

Google は IPv6 の普及状態を観測している。
(a) Google の検索エンジンを利用するユーザーの IPv6 によるアクセスの割合
(b) Web サーバーにおける IPv6 サポートの割合注1

次に示すのは(a)の方である。

Google 検索にアクセスするユーザーの割合

このグラフを見るに、ユーザーレベルで IPv6 によるアクセス割合が 50% を超えるのは、あと4 年ほど必要と思える。(当面、指数関数的に増加するとして)


注1: (b)のデータに関しては Google は公開していないようだが、Web サーバーのアクセスログを見ていれば Google の検索ロボット は IPv6 割合を推定するのに必要なデータを収集していることがわかる。

行政の対応

総務省は IPv6 への移行の音頭を取っているが...

総務省の IPv6 対応は未だ道半ば

www.soumu.go.jp は Apache を使っているのに...

NTT NGN

2015/09/10

以下、 NTT NGN に関してはメモとリンク集の域を出ていない。原因は、筆者が光フレッツを契約していないからである。

フレッツ光

NTT東日本

NTT 西日本

NGN (Next Generation Network)

VLAN で構成された NTT の内部ネットワーク (VLAN の利用は当然!)
2008 (フレッツ光として商用サービス開始)
IPv4 + IPv6

光プレミアム(NGN の前段階)時代の問題点などは次の記事に詳しい。

コンセプト

初期の位置付け

電話網の IP 化: 2つの方法

NTT はアナログ電話が持っていた次の2つの特徴を引き継いだ IP ネットワークを作ろうとしたようである。

セッションとは接続開始から接続終了までの時間を言う。

NGNは、信頼性や安心感の欠如が指摘される現在のインターネットに対する、電話網からの回答です。社会インフラとして各種サービスの基盤となる通信網は今後、IP技術を用いて提供されるべき事は明らかです。しかし、現在のIP網ではQoSの保証や通信相手の認証などが十分に行われているとは言い難く、...

https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No31/020.html

QoS は通話品質の確保のために、通信相手の認証は課金のために (課金は NTT の生命線!)

NGN は NTT の内部ネットワークであるために、NTT の独自性を導入できる。(インターネットのルールに縛られない)
独自ネットワークであるために、対応機器が限られる。(そのために高コストになる)

NTT の独自性とは何か? 次の記事が参考になる。

出典: https://flets.com/next/square/connect/

NTT は NGN を文化圏と位置付け、ここにユーザーを呼び込もうとした?

NTT が描いた夢 ( http://www.ntt-east.co.jp/aboutus/ngn_about.html )

他に多くの文献が見つかる。

NGN への接続方式

PPPoE と IPoE がある

事実上 NGN の利用が強制されている?

PPPoE

PPPoE で契約した場合、端末に NGN 内に閉じた IPv6 グローバルアドレスとインターネット接続用の IPv6 グローバルアドレスが割り当てられていた。
端末のブラウザなどはこの違いが分からないのでインターネットにアクセスするのに NGN 用の IPv6 アドレスが使われることがあり、問題を起こす。(IPv6 マルチプレフィックス問題)

この問題は現在では NGN に対応した IPv6 PPPoE 対応アダプターを入れることで解決しているらしい。

●PPPoE接続の都度、ISP事業者さまからIPv6アドレスが割り当てられます。
●PPPoE(IPv6)にて通信するために、インターネット(IPv6 PPPoE)対応アダプター(IPv6によるセッションを接続するための機器)をお客さまにご用意いただく必要があります。また、ISP事業者さまが指定する接続用のID/パスワード等をインターネット(IPv6 PPPoE)対応アダプターに設定いただく必要があります。
...
※お客さまがインターネット(IPv6)をご利用される場合、インターネット(IPv6 PPPoE)対応アダプターが別途必要となります。
(IPv6トンネル対応アダプタ(MA-100)の購入はこちら)

次の IIJ の解説がよく分かる。

NTT は問題を解決するために NGN との接続に NAT を使ったらしい。

この記事を読む限り、NGN 用の IPv6 プレフィックスはユーザ側の端末に割り振られていない。

MA-100 は 2011年5月に販売開始


ascii の記事では
(a) 物理アドレスとリンクローカル IPv6 アドレスの対応が変だ。リンクローカルアドレス構成規則 EUI-64(rfc4291)が守られていない。筆者の Win7 で確認したところ確かに守られていない。Win7 は独自流らしい。なお Microsoft は必ずしも独自流を通しているのではない。次の記事があるから。
ここでは EUI-64 が解説されている。
Win7 で観察されたリンクローカルアドレスは、基本的にはランダムな値で、Vista 以降のデフォルトの動作らしい。次の記事がある。
(b) トンネル対応アダプタはアドレス変換するときに、IPv6 アドレスの前半 64bit だけを変換すればよいはず。記事では後半も変換されたように見えるが、(ascii を通じて著者に問い合わせたところ) MA100 の WAN 側のインターフェースの IPv6 アドレスらしい。だとすれば、IPv4 流の NAT なんだね...

IPoE

この方式が素直。
2011年7月からサービス開始

Reference

なぜフレッツ光では IPv6 が進まないのか?

NGN の下で IPv6 はトラブルの原因になっていた(IPv6 マルチプレフィックス問題)。
それ故 NTT はユーザに対して IPv6 を使わないように勧めた。
2011年になって NTT はこの問題を

の方法で解決した。しかしどちらの方法もユーザに一手間かけることになる。しかも殆どのユーザーにとって、IPv6 のメリットは現時点では存在しない。

NGN IPv6 マルチプレフィックス問題の経緯に関して、次の記事が詳しい。

ISP の IPv6 への取り組み

BIGLOBE

BIGLOBE は BUFFALO製 WXR-1900DHP を指定している。このルーターは
IIJ, Nifty, BIGLOBE にのみ対応している
https://support.biglobe.ne.jp/ipv6/
http://buffalo.jp/taiou/kisyu/network/ipv6/

So-net

フレッツ 光ネクスト、フレッツ 光ライトにおいてひかり電話をご利用のお客さまにNTT東日本/NTT西日本より提供しているひかり電話ルーターからのインターネット接続について、平成26年7月より順次、従来のIPv4によるインターネット接続に加えIPv6によるPPPoE方式のインターネット接続にも対応いたします。
...
...
上記以外の機器をご利用のお客さま、およびひかり電話のご利用がないお客さまはNTT提供のIPv6トンネル対応アダプタをご用意いただく必要があります。

http://www.so-net.ne.jp/option/others/ipv6/

まだ始まったばかり...

OCN

NTTコミュニケーションズが提供しておりました「IPv6対応ブロードバンドルータ DS-RA01」は4月30日をもって販売を終了いたしました。
...
OCNでは、NTT東日本/NTT西日本が提供する「ひかり電話ルータ―」からのインターネット(IPv6 PPPoE)接続に、2014年7月30日(水)より順次対応を開始いたしました。
...
OCNでは、NTT東日本「フレッツ 光ネクスト ギガスマートタイプ」と「フレッツ 光ネクスト ギガラインタイプ」において、IPv6対応ブロードバンドルータからのIPv6インターネット接続に順次対応を開始いたしました。

http://service.ocn.ne.jp/ipv6/access/

これもまだ始まったばかり...

Reference

光コラボ

光コラボレーション
光回線卸し
2015/02 開始

ISP との違い

光コラボレーションモデルでは、NTT東西がプロバイダなどの事業者に光回線を卸売りし、事業者が自社ブランドで光回線サービスを提供する。

光コラボは NTT に対する規制緩和の結果か?
特別部会で具体的な話し合いが始まる前から「総務省はNTTグループによるスマホと光回線のセット割引の解禁を検討している」と一部で報道され、...

http://toyokeizai.net/articles/-/35525

光ファイバーの貸し出し問題

今回のヒアリングで、最も意見が飛び交ったのは、NTTによる光ファイバーの貸し出し問題だ。NTT東日本と西日本の光回線のシェアは合計で7割超(2013年3月末時点)と圧倒的。両社は、ほかの事業者に光ファイバーを貸し出す義務があるが、その際、1回線ごとではなく、8回線(光ケーブル1本分)を一括で提供している。そこにソフトバンクの孫社長が噛み付いた。

http://toyokeizai.net/articles/-/35525

「光ケーブル1本分」とあるが「光ファイバー1本分」の間違いか?
この問題は(多分)スプリッタの仕組みが関係している。

この記事は2014年04月なので、光コラボは8回線問題への対応か?

歴史的経緯

NGN は NTT のガラパゴス王国になるか?

NGN は以下の理由でガラパゴス化するのではないかと感じた。
つまり、ガラパゴス化に向かう条件が整っている。

疑問に思ったこと:

NGN が失敗しそうな要因:

コミュファ光テレビでは、地上デジタル放送とBSデジタル放送をアンテナで受信するのと同じ状態でお客さま宅内にお届けしています。そのため、アンテナ受信での地上デジタル・BSデジタル放送の録画に対応した機器であれば録画が可能です。
また、録画機器によって「IPTV(ひかりTV等)に対応していない」と表記されている場合がありますが、コミュファ光テレビはIPTVではないため、問題なく録画が可能です。

https://www.commufa.jp/faq/detail.php?id=F00000193&cate=S0003

光変調器を使っていると言うことか?

References

以下の reference はもっと整理すべし。