補助記憶装置
目次
補助記憶装置: auxiliary storage device
特徴
- メモリに比べて安い
1万円でメモリは500MB、ハードディスクは 100GB # 2003年春の相場
(M: メガ、G: ギガ, 1G≒1000M)
- 電気を切っても消えない
- メモリよりも性能は悪い
(安いものは性能は悪い)
なぜ必要か?
- 多数のプログラムやデータを補助記憶装置に持ち、必要に応じてメモリに持ってくる
- メモリの内容は電気を切ると消える。そこで…
作成したプログラムやデータを電気を切る前に補助記憶装置に保存する
主な補助記憶装置
- ハードディスク装置
- フロッピーディスク装置
- 光ディスク装置
- 光磁気ディスク装置
ハードディスク装置
ハードディスクドライブの蓋を外すとハードディスクが見える
- ディスク: 円盤 (disc, disk) # デスク(desk=机)と間違えるな!
- ドライブ: 駆動装置
ディスク面は鏡面仕上げ、磁性体が塗布されている。磁気ヘッドとディスク面はほんの僅かに離れているが、接触しないのがハードディスクの凄い技術。
図 磁気ヘッドとヘッド浮上の原理
出典: 池田敏雄、二宮昭一「電子計算機概論」(オーム社、1985)
記録形式
ディスク上面図
出典: 「最新パソコン技術体系 '99」(日経BP, 1998)
セクターはハードディスクの最小の記録単位である。
1 セクター= 512バイト
シリンダーの概念
注: この図の「ヘッド」は「アーム」と書くべきである。
出典: 「最新パソコン技術体系 '99」(日経BP, 1998)
アームの移動なしに読み書きできるトラックの集まりがシリンダーである。データを高速に取り出すには、ひとまとまりのデータはできるだけ同一シリンダーに配置されていた方がよい。
2002 年現在では
- 平均シークタイム: 10ms (ヘッドの位置決めに要する時間)
- 容量: 100GB
- 回転速度: 5000 RPM (1分あたりの回転数)
のものがポピュラー
インターフェースによる分類
インターフェース(interface): 二つのものの間に立って、情報のやり取りを仲介するもの。また、その規格。( http://e-words.jp )
- IDE
-
マザーボードに標準添付の IDE インターフェースに接続する。パソコンの標準ハードディスク。本体に内蔵される。
- SCSI
-
高性能。値段も高い。サーバ向き。SCSI ハードディスクを接続するには SCSI カードが必要。
- USB 2.0
-
- IEEE 1394 (fire wire)
-
大きさによる分類
左から、マイクロドライブ、2.5インチ HD、3.5インチ HD
実際には中は見えない
出典: http://www-6.ibm.com/jp/oemj/storage/
- 3.5 インチ
デスクトップパソコンでの主流
- 2.5 インチ
ノートパソコンでの主流
- マイクロドライブ
フロッピーディスク
フロッピーディスク(floppy disk)のケースの中には、磁性体を塗布した円盤が入っている。この表面に情報が記録される。ハードディスクと異なり円盤部分は密閉されていず、駆動装置の磁気ヘッドは円盤と接触している。フロッピーディスクは駆動装置と分離できる。
フロッピーディスクの性能はハードディスクに比べてずっと低いが、パソコンの共通の補助記憶メディアとしてソフトウェアの配布に使用されてきた。(この役割は現在では CD-ROM が担っている)
現在主に利用されているフロッピーディスクの容量は 1.44 MB である。
フロッピーディスク
フロッピーディスクとその駆動装置
ケースから取り出されたディスク。素材はフィルムである。
フロッピーの名は、この素材が柔らかいことから来ている。
光ディスク装置
DVD プレイヤー。ポータブルタイプ。
これは CD-ROM, CD-R, CD-RW, DVD-ROM, DVD-R, DVD-RW が読み取れる。
CD-ROM の電子顕微鏡写真 (出典: [1])
情報は穴のパターンによって表現されている
参考: レコードの顕微鏡写真 (出典: [1])
情報は溝に刻まれた音の波形によって表現されている
- [1] 中島平太郎・小川博司「コンパクトディスク読本」(オーム社, 1982)
メディアタイプ
- CD-ROM
- CD-R
- CD-RW
- DVD-ROM
- DVD-R
- DVD-RW
- DVD-RAM
以上の他に、DVD+R や DVD+RW もあるが解説を省略する。
ドライブタイプ
- CD-ROM ドライブ
- CD-R/RW ドライブ
- DVD-ROM ドライブ
- DVD-R/RW ドライブ
- DVD-RAM ドライブ
CD-R や CD-RW は CD-ROM ドライブで読み取れるように、また DVD-R や DVD-RW は DVD-ROM ドライブで読み取れるように作られているはずである。しかし現実はかならずしもそうではないらしい。
記録容量
ROM/R/RW/RAM の意味
- ROM
書き込み不可能なメディア
- R (Recordable)
一度だけ書き込み可能なメディア。書き込み用の特別ソフトが必要。
- RW (Rewritable)
再書き込み可能なメディア。変更回数の少ないデータに適している。書き込み用の特別ソフトが必要。
- RAM
再書き込み可能なメディア。変更回数の多いデータに適している。書き込み用の特別ソフトが不要。
用途
- CD-ROM
ソフトウェアの配布に使用されている
- CD-R
個人が作成したソフトウェアの配布や、ハードディスクのデータのバックアップに使用されている
- CD-RW
ハードディスクのデータのバックアップに使用されている
- DVD-ROM
映画ソフトや大容量を要求するソフトの配布に使用されている。
- DVD-R
個人が作成した映画の配布や、映画ソフトの保管、ハードディスクのデータのバックアップに使用されている
- DVD-RW
映画ソフトの保管やハードディスクのデータのバックアップに使用されている
- DVD-RAM
映画ソフトの保管やハードディスクのデータのバックアップに使用されている
DVD-RW の記録面
DVD-R と区別が付かない
DVD-RAM の記録面
DVD に関する参考 URL
- DVD Forum: http://www.dvdforum.gr.jp/
- DVD 技術解説: http://www.pioneer.co.jp/crdl/tech/dvd/1.html
- 記録型DVDフォーマット戦争: http://www.zdnet.co.jp/news/0209/20/ne00_dvd.html
- DVD+RW の可能性: http://www.atmarkit.co.jp/fpc/special/dvdplus_review/dvdplus_review04.html
H2: 光磁気ディスク装置
光磁気ディスク(Magnet-Optical disk)
磁性体の記録媒体にレーザの助けを借りて磁気的に書き込みを行い、情報の読み取りは光学的に行う。
I: mo.png
C: MO ディスク
初期のタイプ(これは 100MB だが現在では 1GB のものもある)
オーディオ用 MD (これも MO)
光磁気ディスクに関する参考 URL
- MO forum: http://www.mo-forum.gr.jp/
- 光磁気ディスクのしくみ: http://www.dainippon-tosho.co.jp/mext/joho-kiki/1513/