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平方根の連分数とペル方程式

はじめに

平方根を連分数に展開すると
$$ \sqrt{m}=[n,\overline{n_1,n_2,...,n_r,2n}] $$
の形の連分数が得られる1
ここに $ n,n_1,n_2,...,n_r,2n $ は $m$ によって決まる自然数で、 $n$ は $ n \le \sqrt{m}<n+1 $ である。上線は繰り返しを表わしている。
そして $ n_1,n_2,...,n_r<2n $ で、数列 $ n_1,n_2,...,n_r $ は左右対称となることが知られている。 例えば
$ \sqrt{14}=[3, \overline{1, 2, 1, 6}] $
$ \sqrt{19}=[4, \overline{2, 1, 3, 1, 2, 8}] $
である。

ペル方程式とは、平方数ではない自然数 $m$ が与えられた方程式
\[ x^2 -m y^2 = \pm 1 \]
で、ここに $x,y$ は自然数である。左辺は $\pm 1$ のどれになっても構わない。 無限個の解を持つことが知られている。

平方根の連分数が分かればペル方程式の解が得られることは古くから知られていた。しかし、知られていた方法は回りくどいものであった。ところが、ごく最近(2014年)になってパズルの最後のピースが見つかった。それは次の関係式である。
$$ \frac{x}{y}=[n,n_1,n_2,...,n_r] $$
例えば
$$ x^2-19y^2=\pm 1 $$
の解は
$$ \frac{x}{y}=[4, 2, 1, 3, 1, 2] $$
で与えられると言うのである。

ペル方程式の解法はあちこちに紹介されているが、そうした解説はどれも古い回りくどい方法だと考えて構わないであろう。この新しく美しい解法は殆ど知られていないのだから。

この解法を発見したのは Dummit である。しかし彼は証明を与えていない。証明が長くなるから論文に載せられないとのことである。論文にはページ数の制限があるので、そういうこともあるだろう。完全な証明は確かに長くなり、論文には馴染まない。

筆者のPDF 版の著書「平方根の連分数とペル方程式」は、連分数の基礎から始めて、新しい解法の完全な証明を与えている2。数学の好きな人、またこのテーマに関心のある研究者は是非読んでいただきたい。

http:pell.pdf


注1: 連分数の表現形式は著者によって様々である。ここでは基本的に Hardy-Wright に従っている。
注2: 筆者が誰よりも早く、完全な証明を公開できたのは、 Dummit とは独立に同じ結論に達していたからである。もちろん完全な証明を持って。

History of pell.pdf

You can get old versions by YYMMDD.pdf where YY is year, MM is month and DD is date. For example "180622.pdf".