僕は今朝の朝日新聞の一面(図1)を見て愕然とした。「北朝鮮ミサイル発射」となっている。朝日新聞だけではなく、殆どの日本のマスコミも同様な見出し、すなわち、「ロケット」と表現しないで「ミサイル」と表現していると思う。(Google でニュース検索してみれば確認できる)
「ミサイル」であれば、爆弾を積んでいるし、「ロケット」であれば積載物に関しては語られていない。ミサイル実験であり模擬爆弾を積んでいるなら、別の表現(例えば「ミサイル実験を強行」とか)にすべきであろう。一流と言われる新聞が、このような扇情的な表現をする時代に入ったのだと愕然としたのだ。
もちろん、ロケット技術はそのままミサイル技術に直結する。また今回の発射が、ミサイル実験だったのか、それとも人工衛星の打ち上げを試みたのかは薮の中である。だからと言って確認できる事実を正確に伝えていない表現「北朝鮮ミサイル発射」が正当化される訳ではない。
面白い事に英文の Asahi.com は「北朝鮮ロケット発射(North Korea launches rocket)」との標題で報じている(図2)。
内向けと外向けが違うのだ! なんと言う時代に入ったのだろう... きっと国内向けには「ミサイル」と言わざるを得ない無言の圧力があるのだろう。僕は北朝鮮の動きよりも、国民が目隠しをされながら誘導されようとしている日本の現状の方が怖い。
Gigazine は今回の問題を世界がどのように報じているかを伝えている。日本のマスコミには頼れない時代が来ているのかも知れない。