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マイクロフォーサーズシステム

2008/08/13
2008/08/14 追加
2008/08/16 追加

「レフ」レスの規格

2008/08/13

久々にオリンパスのページにアクセスするとオリンパスと松下電器がフォーサーズシステム規格の拡張規格「マイクロフォーサーズシステム規格」を策定した事がアナウンスされていた。(http://www.olympus.co.jp/jp/news/2008b/nr080805fourthirdsj.cfm)

僕の受けた感じでは、これはレンズ交換式の高級コンパクトデジカメの規格である注1。CCD はフォーサーズ規格に従う。もちろんフォーサーズシステム規格のレンズが(アダプタを介して)使用できる。マイクロフォーサーズシステム規格に基づいたコンパクトデジカメはフォーサーズのデジタル一眼レフと同等の画質が保証される訳だ。

注1: オリンパス自身は「デジタル一眼」と言っている。「デジタル一眼レフ」とは言わないのは「レフ」レスだからだ。「コンパクトデジカメ」と言うとチープなイメージがあり、またタバコケース程度のサイズをイメージするので「高級コンパクトデジカメの規格である」とは言いたくないのであろう。

僕は半年程前にようやくデジタル一眼レフ E-510 を買った。僕のようなメカ好きが、なかなかデジタル一眼レフの購入に踏み切れなかったのは市販されているデジタル一眼レフの考え方に違和感を持っていたからである。デジタル一眼レフは前世紀の遺物(ミラー、ペンタ、シャッター)の上に成立している。こうした遺物はカメラを大きくし、重くし、コストを上げる。そして何よりもレンズ設計の自由度を落とす。コンパクトカメラが小さな CCD の下であれだけの画質を誇れるのはレンズ設計の自由度の高さがあるからである。ミラーを追放すればミラーの跳ね上げの空間が不要である。従ってレンズと CCD との距離を縮める事ができる。これによってカメラを薄くできるばかりではなく、広角レンズの設計が楽になる。レンズの一部がボディの中にくい込んでも構わないのだ。

ペンタが無くなればカメラはもっとスマートになる。シャッターは残るだろうね。あれはレンズ交換時に CCD を埃から保護している。ファインダーは欲しいね。ライブビューだと撮影時にカメラが安定しないのだ。

E-510 を使ってみてなぜ「ミラー+ペンタ」を要求しているのか分かった。それはオートフォーカスの速度の関係である。どうやら「ミラー+ペンタ」を使った古いフォーカス合わせのメカが現状でも最良の方法らしい。従ってここがクリアされない限り、全ての機種でマイクロフォーサーズと言う訳には行かない。住み分けが発生するのである。

フォーサーズとマイクロフォーサーズ

2008/08/14

オリンパスはマイクロフォーサーズシステムのレンズ群を新たに作るであろうか? 経営的な視点から言えば NO であろう。望遠系やマクロ系レンズに関しては新たに作るメリットはない。つまりレンズは殆ど小さくはならない。単にアダプタを介して既存のフォーサーズシステムのレンズを使えばよいだけだ。それにオリンパスには新たにマイクロフォーサーズシステムのレンズ群を作るゆとりは無いはずである。従って取り敢えずはマイクロフォーサーズに最適化された広角の標準ズームレンズ(35mm フィルム換算 25mm - 100mm 程度)だけがサポートされるのではないかと予想する。普通の人にはこれだけで十分である。

マイクロフォーサーズシステムが販売戦略の中でフォーサーズシステムとどのように関わっていくのかはっきりしないが、常識的に見て暫くは入門機であろう。そのような位置付けであればオリンパスはマイクロフォーサーズシステムのレンズ群を作る訳には行かない。そのような事をすればマイクロフォーサーズのユーザをフォーサーズにスイッチできなくなるからだ。(マイクロフォーサーズシステムのレンズはフォーサーズシステムには使えない)

パナソニックにとってのマイクロフォーサーズ

2008/08/16

オリンパスの関心はスチールカメラにあるようだが、パナソニックの見方はかなり違う。もっと遠くを見ているのだ。ビデオカメラは静止画も撮ることができる。スチールカメラも動画を撮る事ができる。機能的に見た時には二つの境界線は消えつつある。それにも関わらずこの二つはレンズの向きが違う。何故ビデオカメラのレンズが本体と平行に配置されているのか? 記録メディアにテープが使われて来たと言う歴史的な理由と高倍率の小さなズームレンズを配置しやすいと言う実際的な理由があると思う。しかし記録メディアは SD カードのようなフラッシュメモリに移る事は間違いなく、ビデオカメラの形を決定する要因ではない。残りはレンズである。レンズが交換できるのならスチールカメラのように本体と垂直に配置される方が合理的だろう。

レンズ交換式のビデオカメラはキャノンが何年も前から業務用製品として販売している。そして今年になってソニーも同様な製品を販売しだした。他方、パナソニックは未だ対抗商品を持っていない。キャノンのもソニーのも、商品の価格帯を見ればとても家庭用とは言えない。フォーサーズレンズを付けた低価格の家庭用のビデオカメラはパナソニックにとって魅力的な戦略商品であろう。家庭用のビデオカメラで最も撮りたいのは子供の運動会である。ここに高性能な望遠レンズが使えるのだから...

パナソニックは最近 LUMIX DMC-FZ28 をアナウンスした。これはデジカメであるが機能的にはビデオカメラに一歩も引かない。しかも4万円台の価格帯である。このカメラがもっとコンパクトなレンズ交換式に進化した姿を想像すれば次の世代のビデオカメラの姿が見えて来るだろう。

ネットの記事

2008/08/17

マイクロフォーサーズを理解する上で良い記事を見つけた。僕の言葉足らずの部分を補ってくれるだろう。